琉球列島地下水のδ18Oについての緯度効果は本州よりも小さかったが,それは琉球列島に降水をもたらす気団に亜熱帯海域に起源をもつ水蒸気が持続的に補給されているためである。石垣島の降水のδDおよびδ18Oの値は,主に夏季に低く冬季に高い。また,降水のd値は夏季に低く冬季に高い。夏季の降水は湿潤な太平洋気団に起源をもつd値の低い水蒸気団によってもたらされ,冬季の降水は大陸からの寒気の吹き出しの影響を受けている。同位体組成に及ぼす雨量効果は年間を通して現れ,夏季には2つのパターンが観測された。琉球列島の夏季降水のd値はほとんど同じ(約10)であるが,冬季には種子島,屋久島および中之島の値(>25)は,それら以南の島々の値(<22)に比べて高くなることが推定された。