日本地球化学会年会要旨集
2021年度日本地球化学会第68回年会講演要旨集
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S04 地球化学の温故知新
酸素・水素安定同位体 (δ18O,δD) およびトリチウム (T) 濃度から見た新潟県における湖沼水系と降水の特徴
*狩野 直樹諸橋 峻秀大石 皓平He LuAdiljiang Tiemuer宮本 直人今泉 洋渡部 直喜Yongjie Zheng
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p. 204-

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抄録

新潟県の環境水の特徴を把握するため,酸素・水素安定同位体比(δ18O, δ D),トリチウム(T)濃度および主要イオン濃度の測定を行った。その結果,主として以下の知見が得られた。(1) 佐潟 (流入する河川は無く湧水で維持) は,他の環境水に比べてδ18O値が大きい。(2) 降水の起源を推定する指標であるd-excess (δD - 8×δ18O) は,概ね夏に低く冬に高い傾向が見られた。(3) T濃度の平均値は,降水で0.33 Bq/kg,佐潟で0.29 Bq/kg,地下水で0.24 Bq/kg程度であったが,降水中のT濃度には,ほぼ毎年スプリングピークが見られた。2011 年3 月に発生した東京電力福島第一原子力発電所事故に伴い,新潟市降水中のT 濃度は一時的に上昇した(同年5月以降は平年並みの推移であった)。

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