主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2021年度日本地球化学会第68回年会講演要旨集
回次: 68
開催日: 2021/09/01 - 2021/09/15
p. 57-
生物源オパール (SiO2・nH2O) で構成される珪藻殻の酸素同位体比 (δ18O) は海水の温度とδ18Oを反映すると考えられるため、有孔虫が産出しない極域の古海洋プロキシとして期待されている。しかし、珪藻殻のδ18O分析には多くの課題が残されており、なかでも最大の課題は測定に用いる試料の前処理法が確立されていないことである。珪藻は小さな殻サイズ (数十µm) ゆえに、有孔虫殻のように実体顕微鏡下において任意の分類群のみを手作業で分取することができない。そのため従来研究では、測定用試料に粘土鉱物が混入し、かつ複数の珪藻種が混在したままδ18O測定が行われてきた。本研究では、これらの前処理の問題点を解決するために、重液分離法およびセルソーターによる処理を組み合わせ、粘土鉱物の除去、中心型珪藻殻の濃集および分取を行うことで、南大洋の堆積物から中心型珪藻殻を完全分離する新たな前処理法を開発した。