主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2021年度日本地球化学会第68回年会講演要旨集
回次: 68
開催日: 2021/09/01 - 2021/09/15
p. 56-
熱帯〜亜熱帯の浅海に生息する造礁サンゴの骨格は高時間解像度の水温・塩分変動や海水準の記録媒体として知られている。また、造礁サンゴの骨格の化石試料は過去の環境記録や海水の化学組成の復元に有用である。本研究では、地球表層圏の炭素動態に密接に関与する海洋の炭酸塩物質の収支を復元する新指標であるストロンチウム安定同位体比(d88Sr)に着目し、古環境復元に多く利用されている塊状ハマサンゴ属の骨格についてd88Srの温度影響を報告する。5段階の温度制御下で飼育した2つの群体のd88Srは0.143±0.022から0.203±0.021パーミルの値をとり、群体間に差は認められなかった。d88Srと生育水温は有意な相関を示さなかった。骨格のストロンチウム量によらず海水から非常に安定した同位体分別を示すため、サンゴ化石から古海水のd88Sr組成の正確な復元が可能である。