主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2021年度日本地球化学会第68回年会講演要旨集
回次: 68
開催日: 2021/09/01 - 2021/09/15
p. 71-
始原的炭素質コンドライトに含まれるCalcium-Aluminum-rich-Inclusions(CAI)は太陽系最古の物質であり、CAIに見られる核合成起源の重元素同位体異常は太陽系最初期の同位体不均質性を反映している。特に「細粒CAI」は熱溶融による組成の均質化を経験しておらず、「粗粒CAI」より始原的な同位体情報を保存していることが期待される。そこで本研究ではAllende隕石中細粒CAIの元素存在度(Rb, Sr, Y, Ce, Ba, REE, Pb, Th, U)及びSr安定同位体比の測定を行った。細粒CAIは多様な大きさのSr同位体異常及び元素存在度を示したが、これは先行研究と整合的である。このような組成の多様性は母天体の水質変成などよる二次的な擾乱だけではなく、粗粒CAIでは見られなかった細粒CAI固有の形成情報を示す可能性がある。