主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2022年度日本地球化学会第69回年会講演要旨集
回次: 69
開催日: 2022/09/05 - 2022/09/16
p. 153-
海洋酸素同位体ステージ(MIS) 19は、完新世と軌道要素の条件が近い間氷期であり、房総半島の千葉複合セクションは当時の黒潮と親潮の境界変動の影響を大きく受ける位置に存在する。そのため、これまでに多くの研究が行われてきたが、陸上の古環境に関する情報は比較的乏しかった。本研究では、千葉複合セクションの堆積岩試料に含まれる、n-アルカンの組成および炭素安定同位体比(δ13C)を分析した。陸上の気温変動を反映していると考えられる平均的な炭素長は、軌道要素スケールではMIS19に高くMIS20と18に低い傾向を示した。また、MIS19からMIS18にかけて、有孔虫の酸素同位体比にも見られた千年スケールの大きな変動が検出された。各アルカンのδ13Cの変動の特徴は、炭素長ごとに異なる挙動を示した。データを解析した結果、大気中二酸化炭素濃度および気候の変化に伴う光合成効率の変動や、C3/C4植物の相対的な割合の変化に影響を受けていることが示唆された。