主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2022年度日本地球化学会第69回年会講演要旨集
回次: 69
開催日: 2022/09/05 - 2022/09/16
p. 174-
本研究では,月玄武岩隕石Asuka-881757に主要構成鉱物として含有されるイルメナイト(FeTiO3)に着目し,硝酸を用いた酸洗浄法と塩酸へと溶解する特性を利用した鉱物分解法を新たに開発することで,二次的な汚染鉛の影響を取り除いた月玄武岩の高精度な形成年代を得ることを目的とした. 4つのイルメナイトフラクションから3910.66±3.10 [Ma; MSWD = 1.3] (誤差は2σ)のPb-Pb年代が得られた.特に,酸洗浄後の鉛同位体比は同位体系の擾乱が生じていない isochron となっており,本手法が二次的な汚染鉛の影響を十分に除去できたこと,そして本手法から高い信頼性を有する年代を得られることがわかった.さらに,得られた年代は先行研究より 1 桁高い精度の年代で,これまで月玄武岩から得られた形成年代の報告値として最も高精度なものである.