同位体ナノスコープによる広領域イメージング法を用いて,太陽風起源希ガスに富むNorthwest Africa 801(NWA 801)CRコンドライト中のヘリウム分布を調査した。NWA 801隕石は,数百µmから数mmのコンドリュールと,その間隙を埋めるマトリクスから構成される。本研究において,ヘリウムはコンドリュールからは検出されなかったが,マトリクスには含まれていた。マトリクス中のヘリウムは均質に存在しておらず,ヘリウムに乏しい領域と富む領域に分かれていた。ヘリウムに乏しい領域は数十µmから数百µmの塊状(礫状)で,ヘリウムに富む領域は,その塊の間を埋めるように分布していた。ヘリウムに乏しい塊の間を埋めるようにヘリウムに富む領域が分布している構造は,太陽風に曝されていない礫の隙間に母天体表面で太陽風に曝された砂が入り込んだ,この隕石母天体でのレゴリスの堆積過程を反映している。