主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2022年度日本地球化学会第69回年会講演要旨集
回次: 69
開催日: 2022/09/05 - 2022/09/16
p. 179-
月レゴリスは過去の地球・月系における太陽風照射を記録している。本研究では月イルメナイト粒子の希ガス深さ方向分析を行い、過去のコロナ質量放出(CME)に伴う高エネルギー粒子の検出を試みた。その結果、分析を行った2つのイルメナイト試料の希ガス同位体分布は共通して10–30 nmの深さに濃度のピークを持ち、深部にかけて減衰する、イオン注入による分布を示した。10–30 nmのピークは現在の太陽風粒子の平均エネルギーでのイオン注入に対応する。また、ピーク以深の希ガス濃度の減衰の程度が試料によって異なっていた。深部に分布する成分は過去の高エネルギーなイオン注入に対応している。このため、試料ごとの深さ方向分布の減衰の程度の違いは個々の粒子が太陽風の照射を受けていた期間に太陽が起こしたCMEの規模や回数の違いを反映していると考えられる。