CIコンドライトであるYamato-86029は、母天体上で水質変成作用を受けた後、さらに熱変成作用を経験したと考えられている。熱変成作用の熱源として、短寿命放射性核種の壊変熱、他天体との衝突加熱、太陽放射加熱などが考えられている。母天体の熱史に制約を与えるために、この隕石中のアパタイトについてU-Pb年代測定を行った。その結果、結晶化年代として4644±320 Maが得られ、さらに800 Ma以降にU-Pb系が乱されたことが明らかになった。U-Pb系が乱された原因について、熱変成作用以外にも、母天体脱出時あるいは地球落下時の影響なども考えられるため、さらなる検討が必要である。