内湾は、過去の環境記録を詳細に記録している場所である。高知県中央部に位置する浦ノ内湾の海底堆積物に記録された人新世の環境変動について検証することを目的とした。浦ノ内湾の湾奥(水深9.7m)と湾央(水深19.0m)において、潜水士によって海底表層コアが採取された。放射性年代とXRFコアスキャナーの結果から、重金属元素(Cu, Zn, Ni, Pb, Cd, Cr)濃度は、湾奥では1964年、湾央では1950年代から増加をはじめ、約2倍近く増加していた。1955年付近から有機炭素量(TOC)が増加し、貝や魚類の養殖が始まった時期と一致する。また、炭素・窒素同位体比も大きく変化していた。Mn濃度から、湾奥では1977年頃、湾央では1954年頃から海底が還元的になったと考えられる。湾奥と湾央において、水深や堆積速度等が異なるため、重金属や有機物量や質の変化開始時期が異なったと考えられる。