主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2022年度日本地球化学会第69回年会講演要旨集
回次: 69
開催日: 2022/09/05 - 2022/09/16
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現在の生命はリボース5’-リン酸を経由してヌクレオチドを生合成している。リボース5’-リン酸の前生物的生成は高濃度リン酸溶液を用いた加熱乾燥条件で可能である。しかし、初期地球では大部分のリンはアパタイトとして存在し、水中に高濃度では存在しなかったと推定されている。そこで本研究では、ヒドロキシアパタイトを含む水溶液に、アパタイトの溶解度を高める効果が期待されているギ酸および重炭酸のアンモニウム塩やナトリウム塩を添加し、弱アルカリ性条件でリボースのリン酸化実験を行った。添加物を加えない場合には、リボース5’-リン酸の生成は収率0.03% 以下の微量であった。一方、ギ酸のアンモニウム塩とナトリウム塩、重炭酸アンモニウムをそれぞれ添加した条件ではリボース5’-リン酸の収率が0.1-0.3%まで上昇した。本実験は初期地球環境においてもリボースのリン酸化が起こり、リボース5’-リン酸が生成されていたことを示唆している。