日本地球化学会年会要旨集
2022年度日本地球化学会第69回年会講演要旨集
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G4 初期地球から現在までの生命圏の地球化学
蒸発環境におけるペプチド形成に対するホウ酸の影響: 初期地球でのポリペプチド形成に対する示唆
*住栄 侑佐藤 圭一郎掛川 武古川 善博
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キーワード: ペプチド, ホウ酸, 化学進化
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p. 7-

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抄録

タンパク質は20種類のアミノ酸が立体構造を持った物質で、生体内で酵素として代謝を支え、DNAやRNAの形成にも関与するため生命に必要不可欠な高分子である。これまでに様々な初期地球環境でのアミノ酸の重合が検討されてきたが、最も長いペプチドが確認されたのは塩基性環境下で乾燥・加水を繰り返す実験で、グリシンの20量体程度までであり、一般的なタンパク質の長さよりはかなり短い。本研究ではリボースやヌクレオチドの形成に有利に働くとされている、ホウ酸に着目した。ホウ酸はアミド結合形成の触媒となることが報告されており、初期地球でのペプチド形成に影響を与えた可能性がある。実験の結果、特に中性条件においてホウ酸がペプチドの伸長を大きく促進することが明らかになった。初期地球のホウ酸濃集蒸発環境はRNAへの化学進化にも重要視されており、そのような環境ではタンパク質への化学進化も同時に起こり得ることが示唆される。

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