鬼界海底カルデラ火山で起きた破局噴火の規模や様式、また噴火に至るマグマ準備過程を明らかにするために、「ちきゅう」表層科学掘削プログラムにおいて採取されたコア試料の化学分析を実施した。コア試料には約7300年前の鬼界アカホヤ噴火と約95000年前の鬼界葛原(K-Tz)噴火に対応する試料、及びそれらに挟在する14C年代で約4万年以降の値を示す火山砕屑物試料が得られた。化学分析の結果、鬼界葛原噴火ではフェルシックな組成の火砕物に加えてマフィックなものが新たに見つかり、この破局噴火ではマフィックなマグマが噴火に関与していたことが示唆される。また、二つの破局噴火の間の火砕物はアカホヤ噴火の噴出物と似た化学組成を示し、アカホヤ噴火へ向けたマグマの蓄積が約4万年前以前に開始していたことが示唆される。