日本地球化学会年会要旨集
2023年度日本地球化学会第70回年会講演要旨集
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G8 地球深部から表層にわたる元素移動と地球の化学進化
海底下深部における堆積物ー間隙水間のアンモニウムの同位体地球化学的研究
*山中 寿朗坂本 有紗清川 佳音Jo JaeGuk大西 雄二
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p. 152-

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抄録

地球表層において、大気中の窒素は巨大なリザーバーであるが、地球全体としては大部分の窒素は地下深部にある。地下深部の窒素は地表に火山活動などを通じて供給されているが、そのフラックスは、45億年の地球史を通じて大気窒素の10分の1程度とされている。一方、生物地球化学的窒素循環では、大気窒素の滞留時間は2千万年程度と推定され、これも充分に長い。しかしながら、大気窒素の同位体比が地球史を通じて一定の範囲内でしか変動していないとするならば、固体地球と地球表層の間での窒素の循環過程に何だかの同位体比を制御するメカニズムがあるのかも知れない。そこで、本研究ではIODP Exp385で回収されたコア試料と船上で抽出された間隙水を用いて、間隙水中アンモニウム、堆積物中全窒素、堆積物中からKCl溶液で抽出されたアンモニウム、粘土鉱物に固定されたアンモニウムを定量すると共にその窒素同位体比の測定を行った。

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