主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2023年度日本地球化学会第70回年会講演要旨集
回次: 70
開催日: 2023/09/14 - 2023/09/24
p. 156-
近年、沈み込み帯の元素循環の研究において、火山岩に見られるMo同位体比(δ98/95Mo値)の変動が注目されている。多くの研究は火山フロント(VF)の岩石に着目する一方、背弧側領域(RA)のMo同位体比の変動プロセスについては不明点が多い。東北日本弧はVFからRAにかけて多くの火山を有しており、研究に適した地域である。本研究では、RA火山の寒風山・三の目潟のMo同位体比を測定し、我々の先行研究と比較した。寒風山はその他の東北地方のRAと類似した低いδ98/95Mo値を示したが、三の目潟はVFなどに類似した高いδ98/95Mo値を示した。測定した寒風山試料はSiO2濃度が比較的高く、角閃石などの結晶分化などの影響を受けた可能性がある。三の目潟試料のSiO2濃度は低く、初生マグマに近い値を持っているにも関わらず、δ98/95Mo値はDMと比較して顕著に高い。このことは、地殻の混染などが考えられるが、今後詳細に調べていく必要がある。