主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2023年度日本地球化学会第70回年会講演要旨集
回次: 70
開催日: 2023/09/14 - 2023/09/24
p. 187-
軟X線分光法(SXES)において,試料表面に照射した電子ビームの加速電圧によって変化する自己吸収効果を用い,軟X線自己吸収構造分析法(SX-SAS)を開発した.SX-SASはX線吸収端近傍構造(XANES),及び電子エネルギー損失吸収端近傍構造(ELNES)に類似する新たな分析手法として期待される. 本研究では,これまで分析対象としていたFeからその他の第1遷移元素に適用範囲を拡張し,Cr, Mn, Co, Ni, Cuから得た自己吸収スペクトルを示す.Mnについては酸化物,ケイ酸塩鉱物についてデータを取得し,酸化数に対応したスペクトルのエネルギーシフト,自己吸収構造の変化を観察した.特にケイ酸塩鉱物からは,同じ酸化数(2価)の鉱物についても,化学結合状態による自己吸収構造の違いと,その特徴を見出すことができた.