日本心臓血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1883-4108
Print ISSN : 0285-1474
ISSN-L : 0285-1474
第52回日本心臓血管外科学会学術総会 卒後教育セミナー
末梢動脈疾患に対するハイブリッド治療
墨 誠
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 51 巻 6 号 p. lxxvii-lxxxii

詳細
抄録

食生活の欧米化と高齢化に伴って高齢者の末梢動脈疾患(PAD)は増加している.PADの治療は血管内治療(EVT)の急速な進歩に伴い,バイパス術などの外科的血行再建術よりEVTが行われる機会が多くなってきた1).EVTのみで完遂する場合もあるが,総大腿動脈を含む腸骨動脈病変や複合病変の場合,ハイブリッド治療が必要な場合も多い.ハイブリッド治療を行うことで低侵襲治療となり,合併症の低減や手術時間短縮になる可能性がある.今回,PADに対するハイブリッド治療に関して解説する.なお,ESC/ESVS2017のガイドラインを受け,日本循環器学会/日本血管外科学会合同ガイドラインとして末梢動脈疾患ガイドラインが2022年改定され,下肢閉塞性動脈疾患はlower extremity artery disease(LEAD)と称し,上肢閉塞性動脈疾患はupper extremity artery disease(UEAD)と称することなった2).本稿では,主にLEADに関しての内容だが,まだ馴染みが薄いと判断しPAD(LEAD)と併記させていただく.

著者関連情報
© 2022 特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top