日本地球化学会年会要旨集
2023年度日本地球化学会第70回年会講演要旨集
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G9 地球化学のための最先端計測法の開発、および、境界領域への挑戦
TIMSを用いた高精度クロム同位体測定における二次的質量分別効果の評価
*横山 哲也
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キーワード: TIMS, クロム同位体, 質量分別
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p. 191-

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抄録

近年、Crの精密同位体分析による宇宙地球化学的研究が目覚ましい進歩をとげている。TIMSによるCr同位体測定では、50Cr/52Cr比を一定値として質量分別を補正し、53Cr/52Cr, 54Cr/52Cr比を求めるが、質量分別補正後の53Cr/52Cr比と54Cr/52Cr比の間に直線的相関(μ54Cr/μ53Cr = ~2)があることが指摘されている。本研究では、TIMSを用いてCr標準物質を繰り返し測定し、二次的同位体分別を評価した。データは3-line multistatic法で取得し、ReおよびWフィラメントによる分析を比較した。その結果、両分析で二次的同位体分別が確認されたが、相関の傾きは異なり、Reはμ54Cr/μ53Cr = 1.93, Wは1.08であった。また、53Cr/52Cr, 54Cr/52Cr比の精度は、Wの方がReより数倍高精度であった。この違いは、分析中のReフィラメント温度がWよりも約100℃高温であり、Cr酸化物がより多く形成されたことに起因する。TIMSによるCr同位体分析の精度を向上させるには、Wフィラメントを用いて測定温度を下げ、酸化物形成を可能な限り抑制する必要がある。

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© 2023 日本地球化学会
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