日本地球化学会年会要旨集
2023年度日本地球化学会第70回年会講演要旨集
会議情報

G9 地球化学のための最先端計測法の開発、および、境界領域への挑戦
Micro-XRFによる元素マッピングおよびLA-ICP-MSとの組み合わせによる化学分析
*福山 繭子
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 192-

詳細
抄録

Micro-XRFによる元素マッピングは、地球科学分野において、岩石等の元素分布を得るために用いられている。秋田大では2022年にBruker社製, M4 TORNADO Plusを導入した。照射X線のビーム径は、15μmであり、最大のマッピング領域は15cm x 20cmである。Micro-XRFと同様に元素マッピングに用いられる電子線プローブマイクロアナライザ(EPMA)やエネルギー分散型検出器付属の走査電子顕微鏡(SEM-EDS)で用いる電子線の一般的な直径は数μmと微小領域であるため、解析される試料は数mm〜cmスケールであることが多い。しかしながら試料によっては数cmから数10cmといったスケールでの解析を必要とすることがあり、そのような場合、Micro-XRFは適当である。また、EPMAやSEM-EDSと比較して、検出感度は高く、より濃度の低い元素のマッピングも可能である。このようなMicro-XRFの有効性や、化学組成から鉱物を同定する上での課題についても議論する。Micro-XRFでは定量局所分析も可能であり、その結果は、LA-ICP-MS分析の際に必要な内部標準元素による補正に用いることができる。元素マッピングについても同様であり、XRFとLA-ICP-MSを用いて主成分と微量成分の合成マッピングイメージを作成することも可能である。本講演では、様々な試料の分析におけるμXRFの活用について議論をする。

著者関連情報
© 2023 日本地球化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top