主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2023年度日本地球化学会第70回年会講演要旨集
回次: 70
開催日: 2023/09/14 - 2023/09/24
p. 220-
福島県の猪苗代湖 (表面積:103km²、最大水深:94m) の湖水は、近隣の火山地帯から流入する酸性河川水の影響を受けて1990年代まではpHが5程度と低く、NO₃⁻などの窒素栄養塩が豊富であるにも関わらずほとんど消費されない(=一次生産が不活発な)酸栄養湖に分類されていた。しかし、20年ほど前からpHの上昇が始まり、現在のpHは7.3程度と一般の湖沼と同程度に達しており、これに伴って一次生産等の生物活動が湖内で活発化することが予想される。そこで本研究では、2014年と2015年、さらに2022年に湖水調査を実施し、湖内の総硝化速度や総同化速度などの窒素循環速度を定量化して、変化の実態を解明した。