主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2023年度日本地球化学会第70回年会講演要旨集
回次: 70
開催日: 2023/09/14 - 2023/09/24
p. 41-
炭素成分は大気エアロゾルの主要成分の一つであり、その発生源を推定する有力なツールの一つとして、放射性炭素(14C)がある。大気エアロゾルの14C濃度から、炭素成分における化石燃料起源炭素(FC)と現生生物起源炭素(non-FC)の寄与率を推定することができる。一方、バナジウム(V)、亜鉛(Zn)、鉛(Pb)などの微量金属元素は、化石燃料などの燃焼過程で排出された大気エアロゾルに含まれるため、大気エアロゾル中の化石燃料起源物質の指標として有効である。本研究においては、2019年から2020年の名古屋市の大気エアロゾル試料について、14C濃度、δ13C、微量金属元素濃度を組み合わせて分析することで、同期間の大気中での炭素成分、金属元素の挙動や季節変動を詳細に分析し、コロナ禍における産業活動等の変化による大気エアロゾル中の化石燃料起源物質の影響の変化を調べることを目的とした。本発表では、その結果について紹介する。