好塩性アーキアはC25イソプレノイドを一つ持つC25C20 ジエーテルコア脂質を生産し,本化合物は高塩濃度環境の指標としての利用が期待される。一方C25C20 ジエーテルには構造としては二つの異性体が存在するが,生物試料と岩塩試料では異なる異性体が存在すると報告されている。私はこれまで化学合成による標品との質量分析スペクトルの特徴的フラグメントで2異性体の存在を示す方法を示した。今回ある微生物種で生物試料側異性体と微量の岩塩試料側異性体が存在する結果を得て,フラグメントイオンの強度ではない2異性体の定量分析を目指し,位置特異的分解の後に分析する方法を検討した。現状では微量の岩塩試料側異性体はマイナーなフラグメンテーションの結果と思われ,大半の微生物ではこれまで言われている結果を追認することとなった。しかし本方法はバクテリアの非対称なジエーテル脂質の位置異性体の区別にも適用可能である。