主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2023年度日本地球化学会第70回年会講演要旨集
回次: 70
開催日: 2023/09/14 - 2023/09/24
p. 73-
光共生(藻類との細胞内共生)現象は,海洋生物に広く見られ,貧栄養海域への適応戦略と考えられている.微化石生物である浮遊性有孔虫にも,光共生する種が多く知られ,共生藻の光合成が殻の化学組成にどのように影響を与えるかなど,古環境指標の高精度化という観点でも関心が高い.しかし,光合成が直接的に関わる炭素の動態については,実験的に検証した例は限られており,未だ不明な点が多い.本研究では,光共生系の炭素動態をより詳細に明らかにすることを目的に,浮遊性有孔虫の飼育実験と光合成測定実験を行った. 2種類の有孔虫−藻類共生系の光合成を,異なる2手法(14Cトレーサー法,高速フラッシュ励起蛍光法)で測定し,比較することにより,特に光合成に利用する炭素の由来が2種で異なることが明らかとなり,殻の化学組成に与える影響の程度も種ごとに異なる可能性が強く示唆された.