日本地球化学会年会要旨集
2023年度日本地球化学会第70回年会講演要旨集
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G4 初期地球から現在までの生命圏の地球化学
放射性炭素動態から見た断層湖(諏訪湖)の水圏生態系解析
*浦井 暖史高野 淑識松井 洋平石川 尚人宮入 陽介横山 祐典宮原 裕一大河内 直彦
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p. 74-

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抄録

本研究では,深部由来のメタンが湖内で湧出する諏訪湖において,放射性炭素を利用した水圏生物の食物網解析を行った.諏訪湖は糸魚川静岡構造線と中央構造線の交点に位置する断層湖であり,その堆積層にはメタンが埋蔵されている.先行研究によって,このメタンは放射性炭素が枯渇している深部由来の炭素であり,一部は溶存無機炭素(DIC)として湖水に取り込まれている様相が報告されている.諏訪湖全体に対する深部メタンの影響を評価するため,主要な流出入河川を含む湖全体を対象とした放射性炭素分析を行った結果,湖水は流入河川よりも放射性炭素の値が低いことが示された.また,水圏生物では,ワカサギやオオクチバスでは放射性炭素の値が湖水と河川水との中間の値を示した.本講演では,アミノ酸分子レベル窒素安定同位体比による生態系構造解析の結果と共に,水圏全体での安定炭素・放射性炭素動態を交えた多次元同位体システマティックスを議論する.

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