主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2023年度日本地球化学会第70回年会講演要旨集
回次: 70
開催日: 2023/09/14 - 2023/09/24
p. 85-
魚類の回遊履歴の解明は、水産資源の管理、回遊生態の理解のために重要である。従来の耳石のSr同位体組成から地理的な移動履歴を復元する手法は、Sr同位体比が海洋で一様な値を示すため、海洋のみを生息地とする魚類には適用できない。そこで海域間で値が変化するNd同位体比に着目し、魚類肝臓のNd同位体比を測定することで、海産魚類の回遊履歴の指標としての有用性を検証することが本研究の目的である。そのため魚類肝臓のNd濃度を測定し同位体測定に必要となる試料量を見積もり、加えて、REE濃度を測定することで、イガイ貝殻、魚類のREEパターンを明らかにし、取り込みメカニズムを評価する。結果として、Nd同位体の測定に必要な 10 ngのNdを確保するためにはそれぞれ魚類肝臓では平均42.6 g、イガイ貝殻は平均14.2 gの試料量が必要である ことが示された。REEパターンはイガイでLREEの濃縮、魚類肝臓でLREE、MREEの濃縮が見られ、先行研究と類似したパターンを示した。