完新世において気候の外部強制力(火山活動・太陽活動)が数十年スケールの気候変動に及ぼした影響については不明な点が多い.本研究では,亜熱帯北西太平洋地域における外部強制力に対する気候応答を明らかにするために,沖縄の鍾乳石の流体包有物の同位体比測定と解析を行った.石筍の流体包有物同位体比から復元した気温変動は大西洋数十年規模振動(AMO)と類似した66年周期があった.平均的には,この数十年スケールの気温変動は,大規模噴火と同調しており,主要な噴火イベントの後に数十年間にわたって気温が低下するパターンを示した.また,石筍から復元した気温は,グリーンランドの気温変動と有意な相関があった.これらの結果は,現代気候と同様にAMOを介して北大西洋と西部太平洋地域との間にテレコネクションが存在したことを示唆している.