マレーシのビドゥン島で採集した現世のシャコガイ殻(Tridacna maxima)2個体(L3、S3)を対象に、Sr/Ca比に基づく日輪解析と酸素安定同位体比による季節水温復元を行った。試料L3の成長速度は3~48 μm/日で明瞭な年周期変化を示し、δ18O値は−1.12から−2.54‰の間で変動した。一方、試料S3の成長速度は5~58 μm /日で、δ18O値は−1.42から−2.82‰となった。いずれも同位体比の振幅は水温で2.8~4.3 °Cを示し、年間の表層水温変化(約3 °C)とほぼ一致した。