日本地球化学会年会要旨集
2024年度日本地球化学会第71回年会講演要旨集
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G1 大気とその境界面における地球化学
ヘリコプターを利用した富山県上空における過酸化水素およびホルムアルデヒド濃度の測定(Ⅱ)
大納 涼雅森 智晴山崎 雄太赤堀 泰晟茶谷 通世中西 彩水和佐田 有希*渡辺 幸一
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p. 13-

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抄録

ヘリコプターを利用した富山県射水市上空の大気観測を行った。寒候期では、二酸化硫黄濃度に対して過酸化水素濃度が低く、上空においても酸化剤が不足している状況であった。ただし、ホルムアルデヒド濃度が比較的高く、ヒドロキシメタンスルフォン酸塩が生成されやすかったやすかったと考えられる事例も観測された。夏季では、通常、二酸化硫黄濃度よりも過酸化水素濃度が高く、二酸化硫黄の液相酸化が促進されやすい状況であったと考えられる。2023年6月25日および2024年6月14日に実施した上空観測においても過酸化水素濃度が十分に高く、暖候期の中部日本上空では二酸化硫黄濃度に対して酸化剤が十分に存在しているものと考えられる。ただし、西之島由来の火山噴煙の影響を受けていた2020年8月の観測時では過酸化水素が大きく消費されていた。

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