日本地球化学会年会要旨集
2024年度日本地球化学会第71回年会講演要旨集
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G6 宇宙化学:ダストから惑星、生命へ
放射光X線を用いたリュウグウ母天体の水環境の復元
*河合 敬宏大野 智洋福士 圭介菅 大輝竹本 亜優上椙 真之吉田 英人松本 恵中村 智樹大浦 正樹高橋 嘉夫
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p. 137-

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抄録

はやぶさ2リターンサンプルについて、X線吸収端近傍構造(XANES)分析により、各元素がどのような化学種として存在しているかを分析した。また、EPMAによる元素分析により、リュウグウの主要鉱物の分析や、層状ケイ酸塩の組成分析を行った。これらの結果をもとに、層状ケイ酸塩層間の陽イオン選択係数及び溶解度の化学平衡計算を行い、リュウグウ母天体の水環境、特に酸化還元電位(Eh)やpHを推定した。その結果、リュウグウの水は非常に還元的(Eh=-0.5~-0.6V)で塩基性(pH=10~11)であると推定された。またバナジウムやクロムなどの微量元素の価数なども測定したところ、これらの結果と整合的な化学種であることが分かった。推定されたEhは、それぞれのpHで水が分解し水素ガスが発生する程度に還元的な値を示しており、リュウグウの水が氷の昇華や鉱物の水和だけではなく、水還元反応によっても失われた可能性を示唆している。

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