はやぶさ2,OSIRIS-RExが持ち帰ったリュウグウ,ベヌーのサンプル中に含まれるMgリン酸塩は,それぞれの母天体での水質変成とその後の加熱脱水過程を記録している可能性がある.Mgリン酸塩の含水度から始原的小惑星の熱史を推定するには低圧でのMgリン酸塩の脱水挙動を調べる必要がある.本研究では,低圧条件におけるMgHPO4·3H2O(Newberyite)の脱水実験をおこなった.加熱によって試料からH2Oが放出され,その脱水速度は温度に応じたある脱水度に達すると急激に低下した.この結果は,リターンサンプル中のMgリン酸塩の含水量から,それが経験した温度を制約できる可能性を示唆する.