抄録
湖沼等で採取された大型水生植物(水草)からリンを抽出しリン酸カルシウム沈殿として回収する方法について検討した.ヒシ(Trapa natans L.),センニンモ(Potamogeton maackianus),オオカナダモ(Egeria densa)を乾燥させたのち破砕し,蒸留水を用いてリンを抽出した.E. densaでは81%と高いリン抽出率が得られたが,その他2種では56%(P. maackianus),50%(T. natans L.)にとどまった.抽出液中のリンの形態,有機物の特性(吸光スペクトル,分子量分布)は植物ごとに異なっていた.バイオマスから抽出されたフィチン酸および有機物によるリン酸カルシウム沈殿の生成阻害が懸念されたものの,本実験の条件では89%以上の抽出リンが沈殿として回収され,大きな阻害は確認されなかった.抽出過程を含めたバイオマスからのリン回収率は41~76%であった.