日本地球化学会年会要旨集
2024年度日本地球化学会第71回年会講演要旨集
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G6 宇宙化学:ダストから惑星、生命へ
中性子照射-希ガス質量分析による炭素質コンドライトのハロゲン濃度定量と母天体熱履歴解読
*日比谷 由紀角野 浩史
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p. 158-

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抄録

炭素質コンドライトにおけるハロゲン濃度は、原始太陽星雲における分別、母天体上での水-岩石相互作用や熱変成作用を考える上で重要である。しかし、隕石中のハロゲン濃度は低い (ppb-ppm) ため、その定量分析には課題が多く、中性子放射化分析(RNAA)や中性子照射-希ガス質量分析 (NI-NGMS) で得られた隕石のハロゲン濃度は不一致を示す。この不一致の主要な原因として、i)分析法の違い、ii)試料調製の違い、あるいは iii)試料内不均質が考えられる。ClayらはNI-NGMSを用いて炭素質コンドライトであるAllende隕石の極めて低いハロゲン濃度を報告した。その試料量は非常に小さい (0.7 mg粉末) ため、結果の不一致は iii)に起因する可能性がある。これを検証するためには、NI-NGMSを使用してより大きな試料のハロゲン濃度を分析し、結果を比較することが重要である。そこで本研究では、NI-NGMSを使用してAllendeのより大きな試料のハロゲン濃度を決定し、報告値不一致の原因(i-iii)を調べた。

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