日本地球化学会年会要旨集
2024年度日本地球化学会第71回年会講演要旨集
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G7 素過程を対象とした地球化学
個別粒子レベルの混合状態が物性に与える影響:海洋性エアロゾルの事例から
*松木 篤大野 耕平戸田 雅之福間 剛士岩田 歩岩本 洋子濵﨑 恒二折笠 成宏村上 正隆
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p. 166-

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抄録

海塩に代表される海洋飛沫エアロゾル(SSA)は、強風や波の破砕に伴う泡の破裂によって海水の飛沫が大気中に放出され、その後乾燥することで生成される。従来、SSAは主にNaClやMgCl2などの海水由来の無機塩で構成されていると考えられてきた。しかし、近年、海洋微生物とその滲出物を含む海洋表層マイクロ層(SML)が、有機物に富むSSAの生成に重要な役割を果たし、SSAの形態、組成を複雑に変化させることが指摘されている。SML由来の多様な有機物がもつ物性と個々の粒子に含まれる割合によっては、大気中での挙動が無機塩のみからなるSSAとは大幅に異なる可能性がある。本発表では、個別粒子レベルでの混合状態に着目し、有機物がSSAの物性に与える影響について評価したいくつかの事例を紹介する。

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