主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2024年度日本地球化学会第71回年会講演要旨集
回次: 71
開催日: 2024/09/18 - 2024/09/20
p. 175-
ルビジウム(Rb)は、85Rb (72.17 %) と87Rb (27.83 %)という2つの同位体を持っている。Rbは同族のアルカリ金属元素であるカリウム(K)と挙動が類似し、主要鉱物として黒雲母やカリ長石に含まれる。上部地殻のK/Rbは200程度 (e.g., Taylor & McLennan, 1985)であるが、大陸から主要造岩鉱物の風化に伴って河川流出が起こる際、Rbの方がKに比べ、イライトなどの粘土鉱物に対して高く吸着し、Kの方が水との親和性が高いこと(Derkowski &McCarty, 2017)から、河川及び海水のK/Rbは1000以上 (e.g., Summerhayes & Thorpe, 1996)になる。このとき、Rbが層状珪酸塩の層間で内圏錯体を形成して吸着し、その際にRb安定同位体分別が起こる可能性が高い。このRbが層状珪酸塩への吸着によって同位体分別を引き起こすという特徴は、Rb安定同位体が表層環境復元の新しい指標として応用できる可能性を示唆している。そこで本研究では、特に河川-湖沼-海洋系での層状珪酸塩に対するRbの吸着構造を明らかにし、吸着反応に伴って同位体分別が起こる可能性について検証した。そして、Rb安定同位体比を新しい地球化学的ツールとして確立することを目標とした。