日本地球化学会年会要旨集
2024年度日本地球化学会第71回年会講演要旨集
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G8 地球深部から表層にわたる元素移動と地球の化学進化
海洋マントルにおける小スケール対流と有機炭素循環:クック諸島アイツタキ島産カンラン岩捕獲岩からのアプローチ
*秋澤 紀克小木曽 哲石川 晃
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p. 181-

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抄録

ザクロ石を含むカンラン岩捕獲岩は深度にして約70km以深のリソスフェリックマントル由来であり、深部マントル情報を抽出することができる貴重な研究試料である。我々は海洋域由来ザクロ石カンラン岩の報告例を増やすと共に、詳細に解析してきた。本発表では、クック諸島アイツタキ島産のザクロ石分解物を含むレールゾライト捕獲岩を対象とて実施した研究成果を発表する:アイツタキ島下の約1億年経った海洋リソスフェア-アセノスフェア境界以深では小スケール対流が引き起こされると共に、有機炭素を貯蔵するマントルソースが存在する。アイツタキ島のザクロ石は分解してしまっているが、我々が実施している「しんかい6500」を用いた研究航海において、東北沖プチスポット火山での調査から、ザクロ石を含むカンラン岩捕獲岩の採取に成功している。今後、プチスポット火山由来のカンラン岩捕獲岩が深部海洋マントルの研究において重要なキーになる。

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