主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2024年度日本地球化学会第71回年会講演要旨集
回次: 71
開催日: 2024/09/18 - 2024/09/20
p. 184-
熱水や温泉水の主要成分から地下温度を推定できるアルカリ温度計は、中性熱水の中で起こる鉱物との反応を想定して作られているため、酸性の熱水や温泉には使用できない。酸性熱水に適用できる温度推定手法を開発するために、強酸性の熱水系での水-岩石相互作用を明らかにすることは重要である。日本国内に自然湧出する強酸性温泉の公表データを解析し、化学平衡計算ソフト(PHREEQC)を用いて水-岩石相互作用を検討した。温泉水の主要成分のうちNa、Ca、Alを選定し、周辺の岩石組成を用いて規格化した値で示すと、温泉水の成分は岩石の組成と比較してAlが少なく、物理化学シミュレーションも同様の結果を示した。深部から供給された強酸性の水は、貯留している間に周囲の岩石と反応し、陽イオンを溶出した後、Alを含む二次鉱物を析出していると考えられる。