2011 年 3 月 11 日の東京電力福島第一原子力発電所事故により、放射性セシウムが大気中・海洋中に放出された。群馬県の山岳湖沼、赤城大沼における湖水中の全放射性セシウム濃度は、他の湖沼水系に比べ減少傾向が緩やかであることが報告されている。その原因は湖沼の閉鎖性による低い湖水交換能と夏季底泥からの放射性セシウムの溶出が関与している可能性が考えられている。先行研究により、夏季の底層水で放射性セシウム濃度が増加し、堆積物からの放射性セシウムの溶出が示唆された。本研究では、夏季と同様に成層化が進行する冬季について、2022~2024年に赤城大沼底層水中の放射性セシウム濃度を調査した。その結果、底層の酸化還元に伴う放射性セシウム濃度の増減が確認された。