日本地球化学会年会要旨集
2024年度日本地球化学会第71回年会講演要旨集
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G10 地球化学全般(地球化学の融合セッション)
コンクリート原材料中の炭素の起源を14Cから探る
*南 雅代Wang ZhenzhenAbudushalamu Aili丸山 一平
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p. 226-

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抄録

セメントと水が反応してできるものはセメントペーストと呼ばれ、カルシウムシリケート水和物を主成分とし、コンクリートの結合剤の役割を果たしている。セメントの主成分のCaOは、CaCO3の分解から得られており、この時にCO2が発生する。一方、コンクリートは大気中のCO2と反応して炭酸カルシウムが生成する(炭酸化反応)。このことを利用し、コンクリート関連分野では、大気中のCO2を無機炭酸塩の形でセメント系材料に固定化し、カーボンニュートラルの達成を目指している。Wang et al. (2023)は、セメントペーストを空気中に暴露し、その前後のペースト中の放射性炭素(14C)濃度を求めることによって、大気CO2を固定した量が評価できることを明らかにした。この評価方法を今後、実際のコンクリートに適用するためには、コンクリート全体の14C初期値が明らかになっている必要がある。そこで、本研究では、コンクリートに含まれるセメント、骨材、混和剤などの原材料の14C測定を行ったので、その結果を報告する。

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