日本地球化学会年会要旨集
2024年度日本地球化学会第71回年会講演要旨集
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S3 太平洋プレートの変遷史~深海底からマントルまで
プチスポット玄武岩の揮発性成分・微量元素組成から見る北西太平洋プレート下のマントル不均質
*佐野 真平野 直人奥村 聡秋澤 紀克田村 明弘森下 知晃
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p. 263-

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抄録

プチスポット火山ではこれまで得ることが出来なかった沈み込む直前の古いプレート下のアセノスフェアの情報を得ることができる。本研究では北西太平洋プレート下の上部マントル化学組成を同定するために、プチスポット玄武岩中の急冷ガラスについて主要、微量元素組成、揮発性成分の分析を行い、MORBやOIBと比較した。マントル部分溶融時のH2Oの挙動を求める際にはH2O/Ceが用いられている。プチスポット玄武岩のH2O/Ceおよび微量元素比はEM成分を示すホットスポット玄武岩と類似していた。また、東北日本沖のプチスポット火山の一部にBa/La、K/La比の高異常を示すものがあり、EMマントルの特徴とは異なる別の成分の付与があることが示唆される。北西太平洋のプチスポット火山を通して、OIBにのみ確認されていたEM成分が上部マントルにも存在していることが予想される。

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