日本地球化学会年会要旨集
2024年度日本地球化学会第71回年会講演要旨集
会議情報

S3 太平洋プレートの変遷史~深海底からマントルまで
老齢の太平洋プレートの地下構造から読み解くプレート形成過程の不均質とその示唆
*藤江 剛
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 262-

詳細
抄録

日本海溝や千島海溝から日本列島に沈み込む太平洋プレートの実態把握を目指して、海洋研究開発機構では2009年から大規模な地下構造探査研究を進めてきた。その結果、海洋プレートが沈み込む直前に折れ曲ることに伴い含水化など構造が変質していることが明らかになったことに加えて、実は海洋プレートは従来考えられているほど均質ではないことが明らかになってきた。たとえば、水深約6000メートルの大洋底における数百メートルといった数パーセントの水深差が、実はプレート形成時に由来する海洋地殻の厚さの不均質を示していることなどが分かってきた。そのような不均質な場の一つで最近の火山活動であるプチスポットが見つかっていることは、プレート形成時の太古の古傷が現在の地殻活動にも影響を与えている可能性を示している。

著者関連情報
© 2024 日本地球化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top