主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2024年度日本地球化学会第71回年会講演要旨集
回次: 71
開催日: 2024/09/18 - 2024/09/20
p. 270-
銅鉱石の浮遊選鉱プラントでは用水確保のため海水の利用が検討されている。しかし,脈石である黄鉄鉱の除去に必要なpH調整(>10)において,緩衝作用によるアルカリ剤添加量の増加や親水性粒子の生成による選択性の低下といった問題が生じる。そこで,本研究では2株の海洋性鉄酸化細菌(Thalassospira sp.,Mariprofundus sp.)を用いて,酸化促進作用や菌体の吸着による黄鉄鉱の効率的な親水化の可能性および黄銅鉱に与える影響を確認した。その結果,酸化促進作用による黄鉄鉱表面の化学性状の差はほぼ見られなかった一方,細菌の細胞膜の特性による鉱物表面の改質が示唆された。すなわち,親水性の細胞膜を持つ細菌を用いることで黄鉄鉱の浮遊抑制が達成できると考えられる。