産業革命以降、人為的な活動により鉄や亜鉛などの微量金属元素が大気に排出され、大気中の雲水形成過程や、海洋沈着後のプランクトンの増殖度合いなどに影響を与えてきた。本研究では鉄に着目し、大気中の微量金属元素の沈着量や大気中での性質の変遷を明らかにするために、グリーンランド南東ドーム(SE-Dome II) アイスコアに保存されたエアロゾル中の鉄の濃度・化学形態・水溶性を経年・季節的に復元した。特徴的な点として、1970年頃に鉄溶解性が極大となり、その後現在にかけて減少する傾向が見えた。これには大気中の酸性物質のフラックス変化に伴う鉄の溶解反応の度合いの変化や、鉄の排出源の変化などが関係していると考えられる。