2015年から2021年にかけて東シナ海から日本海を中心とした日本沿岸の1394地点で採取した海水試料(n = 2222,鉛直採水を含む)をサンプリングし,d18Oと塩分の関係について,その季節変動・経年変動の把握を試みた。一連のプロジェクトでは,作業負荷低減のためにサンプリング手法を簡素化するとともに,全てのサンプルを一元管理下で高精度・高効率分析する体制を確立し,信頼度の高いデータセットを構築した。これらの成果は,日本周辺海域のおける塩分・水温・dD・d18Oの大規模データセットとしてKodama et al. (2024, Geochemical Journal) にて報告し,古環境解析学や海洋物理学・海洋化学,そして水産学へ貢献可能な高密度・広範囲・高精度の基礎データとしての活用が可能となった。本発表ではこのデータセットの概要を紹介するとともに,小規模プロジェクトにおける大規模サンプリングの実現,データセットの可視化を通じたデータ活用方法についても紹介する。