日本地球化学会年会要旨集
2024年度日本地球化学会第71回年会講演要旨集
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G3 海洋の地球化学
高感度安定同位体比分析による駿河湾亜表層の硝酸の季節変化
*三浦 愛理小松 大祐川崎 貴之佐藤 賢太高橋 大介
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p. 75-

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抄録

海洋に溶存する硝酸イオンの動態解析には窒素酸素安定同位体比(δ¹⁵N, δ¹⁸O)が有効なトレーサーとして用いられている.従来の安定同位体比定量法を高感度化し,その定量法を用いて,d(15,18)から大気起源の硝酸イオンが有光層内の全硝酸イオンに占める割合を算出した.試料を全量導入可能な抽出装置を製作し,従来比で4倍量の導入が可能となり,0.3 uMで従来と同程度の測定精度を実現できた.定量法を応用し,駿河湾中央部で2ヶ月に一度の頻度で水深200 mまでの7層を測定した結果,50 m以浅のd(15,18)は,2月から6月に亜表層よりも下層の値に比べて低い値を示し,同時期には水深100-150 mまで大気起源の硝酸イオンが1-3%寄与していることが分かった.

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