日本地球化学会年会要旨集
2024年度日本地球化学会第71回年会講演要旨集
会議情報

G3 海洋の地球化学
水圏における磁気同位体効果発現のメカニズムの解明
*村上 諒平野 隼深海 雄介大野 剛
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 81-

詳細
抄録

工場や火山から放出された水銀は水圏に拡散され、魚類に蓄積される。魚食を介したメチル水銀の摂取は、新生児に対して、悪影響を及ぼすことが懸念されている。 そのため、環境中での水銀の動態を明らかにすることは水銀の曝露経路を調べる上で重要である。 水銀には7つの安定同位体が存在している。環境中で水銀は様々な化学反応によって質量依存同位体分別(MDF)、非質量依存同位体分別(MIF)を示す。また、海洋の表層に生息する魚ほどMIFが大きいことが報告されている( Blum et al .,2013)。 さらに、海中では深度によってpH も変化することが知られている( Robert et al .,2010)。 光の届きやすさによってMIFは変動するが、pH によって変動するかは未だ不明である。本研究では、MIFの要因である磁気同位体効果が塩基性条件下で作用するのか、または、光による還元と塩基性条件下の両方で作用するのかが不明であるため、塩基性条件下でスズ還元を行った。

著者関連情報
© 2024 日本地球化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top