日本地球化学会年会要旨集
2024年度日本地球化学会第71回年会講演要旨集
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G3 海洋の地球化学
西部北太平洋における懸濁粒子の化学組成と特徴
*佐藤 航清水 幸大深澤 徹江平 百花野坂 裕一則末 和宏小畑 元中口 譲南 秀樹
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p. 82-

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抄録

懸濁粒子は,化学物質の沈殿と溶解,吸着と脱離,生物活動に伴う摂取と排泄といった化学的ならびに生物学的反応を通して,水相と固相の間の物質の分配に深く関与している。海洋における物質循環を解明するためには懸濁粒子の評価が不可欠である。本研究は,西部北太平洋において縦断観測を行い,海水中の懸濁粒子を採取し,その形状観察や化学組成,微量金属元素(粒子態金属:pMetal)の挙動を明らかにすることを目的とした。北側の陸域に近い海域であるOP-15R, H-01,OP-16の表面水の値が極めて高い傾向を示した。また,鉛直分布では,表層で極大を示して下層で減少する傾向を示した。この海域ではpTiやpAlは表層で低濃度であることからpCuとpZnの表層極大は陸源粒子の供給ではなく生物プロセスによる粒子化によるものと示唆された。

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