日本地球化学会年会要旨集
2024年度日本地球化学会第71回年会講演要旨集
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G3 海洋の地球化学
南北太平洋亜熱帯域における溶存有機態窒素の動態
*薬師寺 聖奈小松 大祐石井 慧成田 尚史三野 義尚
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p. 83-

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抄録

本研究では、南北の太平洋亜熱帯域のDONとNO₃⁻の関係に着目し、両者のδ¹⁵Nを定量し比較しようと考えた。試料は北太平洋亜熱帯域の2点に加え、南太平洋亜熱帯域の6点の表層から水深500 mの試料を用いてDON、NO₃⁻の濃度とδ¹⁵Nを測定した。その結果、北太平洋亜熱帯域の表層から水深150 mまでDON濃度はほとんどの点で4 ~ 5 µMでδ¹⁵NDONを定量でき、中層や深層で+5 ~ +6 ‰、150 mに向かって+3 ~ +5 ‰、水深150 m以浅では+0 ~ +6 ‰で、いずれも下層のNO₃⁻のδ¹⁵N よりも低い値を示した。一方、南太平洋亜熱帯域では表層から水深100 mまでDON濃度は北太平洋亜熱帯域と同程度、水深200 mまでのNO₃⁻のδ¹⁵Nは +5 ~ +11 ‰、同水深のδ¹⁵NDONは+5 ~ +9 ‰を示し、どちらも北太平洋亜熱帯域に比べて高い値を示した。これらの結果から、北太平洋亜熱帯域では窒素固定の影響が、南太平洋亜熱帯域ではそれらの影響が小さく,むしろ東部赤道太平洋域の脱窒の影響が大きいことが分かった。

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