日本地球化学会年会要旨集
2024年度日本地球化学会第71回年会講演要旨集
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G4 初期地球から現在までの生命圏の地球化学
エウロパ内部海底を模擬したアラニンの高圧実験 ―地球外生命体の存在可能性の検討―
*山本 千早篠崎 彩子三村 耕一
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p. 98-

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抄録

エウロパは、単純な有機物から複雑な有機物、やがて生命が形成される「化学進化」(Pierazzo and Chyba, 2006)が起こり得る環境であるため、生命体の存在が強く期待されている天体である(Kargel et al., 2000)。本研究では、化学進化の最も重要なステップのひとつである重合反応が、エウロパ海底で進行するか否かを模擬実験で確認した。実験の出発物質は、塩化ナトリウムとアラニンの混合水溶液(以下、出発溶液)と蛇紋岩粉末の混合物とした。出発物質を反応容器に入れ、160、180、200、220℃の各温度で、0.25 GPa、4時間圧縮した。圧縮試料の回収後、LC/MSMS分析で生成物と残留物を定量した。すべての圧縮試料において、加温と加圧によりペプチド結合が形成し、2つのAla分子が重合したアラニルアラニン(Ala-Ala)とジケトピペラジン(DKP)が検出された。模擬実験より、エウロパ海底では、熱水噴出孔で重合が起こることが示された。エウロパ内部海の海底は、アミノ酸の重合を進めることが可能な環境であると言える。

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