2025 年 9 巻 4 号 p. 131-136
NHKアーカイブスには質の高い舞台映像が膨大に保存されており、単なる一放送局の保管庫ではなく日本の舞台芸術史そのものを内包するナショナル・コレクションとしての重みを持ち、舞台芸術の教育・研究利用には不可欠な文化的資産である。にもかかわらず、現状では複雑な権利処理が障壁となり、その活用が著しく制限されている。本稿は、この課題を解決するための一つの方策として、英国のERAの集中ライセンス制度をモデルとし、法務と舞台芸術両方の専門知識を有する「仲介組織」を設立する私案を提示する。この組織が、放送局と教育・研究機関の間で権利処理を一元的に担うことで、舞台映像を円滑に利用可能にするシステムを構築できると論じる。